性暴力加害者の心理
こちらの記事を読みつつ、考えたことをメモします。あいかわらず、思いつきでしかも長い。
なお、前回の記事に加えて、チェックすべき文献を追加。
まず、上記記事からの引用です。
なぜ男性が女性に性暴力をふるうのか、という理由がはっきりしないからである。男性の支配欲や嗜虐欲が原因であるという説が支持されたこともある。これらは「パワーレイプ」や「アンガーレイプ」と呼ばれ、「男性が女性をレイプするのは、性欲が原因ではない」という主張がなされた。
また、ホルモンであるテストテロンの影響や、遺伝学上の問題とされることもある。先に述べたように女性が加害者となる性暴力の事例はあるのだが、やはり数字上は男性が加害者となる性暴力の事例が圧倒的に多い。この謎に対する、クリアーな解は確定されていない。
うーむ。ホルモンや遺伝学上の問題までいっちゃうと、僕にはさっぱりわからん。
統計上の証明が不十分とのことではあるけど、原因は性欲か、支配欲・嗜虐欲か、という対立軸は興味深い。
前回の記事で、僕の性欲の中に嗜虐欲がある、と書きましたが。
性欲の発達の仕方として、支配欲・嗜虐欲を結びつけて発達しちゃったパターン、とかは、きっとあるのかもしれない。
そもそも僕は、性の発達のメカニズムも、よく分かってないからなあ。
だいたい、「発達」って言葉もあんまり良くないのかもしれんし。発達or未発達っていう二分法、定型/非定型の区別ができちゃうようなニュアンスがある。「生成」って言葉のほうがよいのかな。
このへんは、セクマイ関係の議論をチェックすると良いのかなあ。
いずれにせよ、性暴力加害もおそらくスペクトラムになっていて、性欲か支配欲・嗜虐欲かもケースバイケースなのでしょう。
だから一概には言えない、ってなし崩しにするんじゃなくって、どっちが主要因かという論点は重要だと思います。
また、もし性欲と支配欲・被虐欲が絡み合っているということなら、その絡まり合い方とか。性暴力加害でのスペクトラムの現れ方を、分析してみたいんだよなあ。ボチボチ色々読みながら考えてみます。
あと、上記記事のリンク先から…(閲覧注意です)
しかし、人生を充実させたらいいかもしれません。僕は人生でうまくいかないことがあれば、露出の頻度が高まる傾向にありました。
…という言葉も気になった。
やっぱり自己肯定感とか、他者からの承認されてる感の度合いは影響しているんじゃないかなあ。
あわせて気になってるのが、階層の問題というか、貧困との関係ね。
生活困窮者支援や貧困問題の文脈で言うと、地域から孤立していて、お金やその他社会資源も乏しく、能力上もボーダーラインにあるようなケースで。
そういう環境の中で女性が若年妊娠してしまい、しかもそれが世代的に再生産されているという、そういうケース。
その背後に、同じような境遇で育った男性がいて、性暴力加害も蔓延していると思うのね。
そういう貧困層の男性、そこで起きる性暴力加害と、他者からの承認の問題との関係が、めちゃめちゃ気になってる。
性暴力加害でも、貧困層での問題は、また少し分けて見ていかないといけないのではないかなあ、と思います。
…ここまで書いて、上記の記事で挙げられていた『セックス神話解体新書』(小倉千加子)が手元にあったので読んでみたら、その中で『レイプ<強姦>』(ジーン・マックウェラー、1976年)の紹介がありますね。
この本は、ある研究者が、強姦の被害者646名と、加害者の強姦犯人1292人にアンケートやインタビューを行った調査結果が元になってるらしい。
こういう研究もあるんだなあ。いつか当たってみて、書きながら考えてみるかもです。